今一旅の 逢うコトもカナ

いつか読み返して笑う、その日のために・・・

読む時期を間違えた・・・

 絶対に夏に読むべきでした、できれば8月の終わりに・・・

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)

幻想症候群 (一迅社文庫 に 2-1)

 3+1のお話からなる短編集です・・・が、タイトルと最初のお話「遥か遠くの夏」『あぁ、こんな感じのほんわかしたファンタジー短編集』かと思わせてておきつつ、2つ目のお話「無限回帰エンドロール」で思いっきりダークなホラーへ。救いのない終わらせ方もまた私好み♪
 話はそれますが、ホラーで大団円なのはちょっと違うと思っています、私。怖さを抉るのであれば、救いがありそうで谷底へ落としてくれるお話のほうが好きです。もっともそんなお話を続けては読めませんけど^−^;
 そして3つ目「『夏休みの終わり』」はだだ甘な学生時代の夏休み、最後の夏休み。自分の命と世界の存続、少年の選択、そして夢の中の夢オチ・・・もう逢えないあの人にもう一度逢えるなんて経験はしたことがありませんし、これからあるかどうかもわかりませんけれど・・・その時はやっぱり泣くんだろうな、私。
 最後の+1話「一〇〇〇年の森」で色々と補完されてます。この短い締めのお話がなかったらかなりもやもやしたままだった、このお話があったからこそきちんと筋の通った短編集になってます。
 最後のお話しを読みつつ、全然似てないのに夢十夜の第一夜目を思い出し、勝手にzabadakのharvest rain(豊穣の雨)を脳内で再生してました・・・そんなイメージができたのも作品の力でしょう。やっぱり好きだわ、この作家さん♪

 早く次の作品を・・・といいたいところですが、つい最近出てしまったばかりですし、また当分待たなくてはいけないみたいです。なるべく早く新しい作品を出してくださいね、お待ちしております♪


 そして最後にまた書かせてもらいますけれど、8月の終わりに読みたかったな・・・初版発売時に気づかなかった私が悪いのだけれども(>_<)