今一旅の 逢うコトもカナ

いつか読み返して笑う、その日のために・・・

オープニング:貴里(きり)

 電車に揺られること時間、列車はN県S市を目指していた・・・


「報告書は読んだかね」
「はい。」
「では、きみの次の任務だ。ここに行ってもらう」
「わかりました・・・。」
「おそらくはオーヴァードが背後に絡んでいると思われる。便宜上『カーミラ』と名づけたが、正直何があるかわからん。まぁ、君なら間違いないと思うがね。」
「はい、任務了解。」


 任務、か・・・けれども私が行く必要性があるのだろうか・・・報告書によれば変死体はかなりの時間が経過している・・・現場に行ったところで何がわかるというのだろうか?
 ・・・まぁいいわ、退屈かもしれないけれど、何もしてないよりかはマシだから。


 ・・・ここね・・・本当に何も無いところ。確か迎えが来ているはずなんだけれど・・・
「(いきなり)こんにちわ、貴女が『上野貴里』さんですか?あ、ごめんなさい。相手の名を尋ねるときは、まず自分からですよね。私が現在S市支部長代理をしてます、『天野茅菜』といいます。『ちな』ってっ呼んでくださいね、きりちゃん^^」
「よろしく。いま支部長『代理』って云ったよね?、支部長は今どちらへ?」
「え、え〜っと、どっかへ行っちゃってます^^;場所は知りません(>_<)いつもこうなんですよ、まったく・・・」
 ・・・大丈夫なのかな、この支部・・・それとも閑職へと廻されたってことなのかな・・・。
「長旅でお疲れでしょうから、こんなところでの立ち話ではなく、支部でお茶でも飲みながら話しましょ〜♪」
「そうね、じゃ、お邪魔します。」


 今思えば・・・何かに引き寄せられていたのかもしれない・・・。