DX2
お通夜は何事もなくとり行われた。茅菜の心配は外れたわけだ・・・当たらなくて良かったが。 一応轟が帰宅したのを見届けたので、地理の把握もかねて少し遠回りをしてみる・・・と、その時世界が止まった。正しくは近くで誰がワーディングを使ったのか? ワ…
「・・・あなたの眼でも、ダメなのね・・・ そろそろ・・・限界かな・・・やっぱり」
夕暮れ近くに起きていくと、茅菜の他にに違った顔があった。確か、轟だったか・・・。 「おはよ〜貴里ちゃん。早速で悪いんだけど、昨日の事でお話しがあるの。」 「昨日の事?」 「うん。轟くんも落ち着いて聞いてね。」 そう云うと茅菜は、昨日あった事件…
朝、俺を起こしたのはクラスメイトから掛かってきた一本の電話だった。 「轟、寝てる場合じゃないぞ!起きろ!!」 「なんだよー、今日の練習は午後からのはずだろー」 「各務が何者かに殺されたんだって!」 「はぁ?何云ってんだ、お前??」 「そこまでい…
誰もいない街を歩いてみたくなった・・・ 昼間は嫌い・・・私の光は太陽の前だと目立ちすぎるから・・・ ん、あそこにいるのは確か・・・ 「随分と変な場所で逢うわね・・・」 「そ、そうだね〜。夜道は危ないよ?このあたりは特に・・・ね」 「そう・・・じ…
「ねぇ・・・キミの眼を私に・・・くれない?・・・ダメ・・・かな?」
久しぶりに逢った従姉に遊びつかれた紫は、寝てしまった。 「さて、たまには外で食べない?」と誘ってくれたのは夕さんから。 紫には悪いけど、お土産を買ってくるってことで勘弁してもらおう。 食べに行く途中で何を話したのかは全く覚えてない。が、茅菜さ…
とりあえず貴里ちゃんを連れて支部に戻ってきた。長旅で疲れてるだろうし、今のところの状況説明も兼ねて。 「・・・というわけなの、今の状況は」 「大体はわかった。レポートと大差ないって所ね・・・」 「それはそうだよ〜ボクが書いたんだから」 「いや…
「やっほー!元気だった?」 いきなりの挨拶とともに姿を見せたのは今年の春、東京に行った従姉の夕さん。俺はあまりに突然の出来事で言葉を失っていた。 「お帰り〜、お姉ちゃん」 「あ、紫(ゆかり)ちゃん、起きてて平気なの?」 「うん、少しくらいなら」 …
電車に揺られること時間、列車はN県S市を目指していた・・・ 「報告書は読んだかね」 「はい。」 「では、きみの次の任務だ。ここに行ってもらう」 「わかりました・・・。」 「おそらくはオーヴァードが背後に絡んでいると思われる。便宜上『カーミラ』と名…
ったくこの一大事にどこに行ってるのよ〜、行様ったら・・・ 何が「少々気になることがある、後は任せた!」よ!!私はあなたと違って頭脳労働向きじゃないんだから!! ってグチっても仕方ない、か・・・でも、本当にどうしよう・・・ 8月×日の新聞より抜粋…
帰ってきちゃった・・・やっぱり私には、この町しかないのかな・・・ 都会は楽しかったけれども・・・ちょっと窮屈 それに・・・もう戻れないし・・・ でも・・・もう・・・終わりかな・・・疲れちゃった・・・
「ねぇ・・・キミの眼を・・・私にくれないカナ?」