今一旅の 逢うコトもカナ

いつか読み返して笑う、その日のために・・・

ミドルフェイズ-02:轟

 久しぶりに逢った従姉に遊びつかれた紫は、寝てしまった。
「さて、たまには外で食べない?」と誘ってくれたのは夕さんから。
 紫には悪いけど、お土産を買ってくるってことで勘弁してもらおう。


 食べに行く途中で何を話したのかは全く覚えてない。が、茅菜さんと逢ったのは覚えてる。隣にいる人は見覚えがないけど・・・
「あれ?轟くん。ひょっとしてデート中??
それじゃぁ〜お邪魔するのもなんだね、また今度〜」
「えっ・・・あ・・・」
 いつもの口調で一方的に喋って、行ってしまった。あぁ、助かった、いつもなら根掘り葉掘り聞かれていたところだ。


「彼は・・・?」
「まだ『覚醒』しきってないオーヴァードってとこ。だから何かと気にかけてあげとかないとね〜」
「なるほど・・・」


「それじゃ、私は少し1人で街を歩いてみたいから・・・じゃね、紫ちゃんによろしく!」
 夕飯をおごってもらった後、夕さんはそう云って夜の街に消えていった。
 もしあの時、一緒に行っていたら・・・変わっていたのだろうか。