ミドルフェイズ-08:貴里
お通夜は何事もなくとり行われた。茅菜の心配は外れたわけだ・・・当たらなくて良かったが。
一応轟が帰宅したのを見届けたので、地理の把握もかねて少し遠回りをしてみる・・・と、その時世界が止まった。正しくは近くで誰がワーディングを使ったのか?
ワーディングはすぐに解除されてしまったが、大体の方向はわかったので急行する・・・轟ではなく違う子が狙われるとはね。
ワーディングを感じた場所にいたのは・・・獣?翼を広げ今にも飛び立とうとする獣。
間に合わない、逃げられてしまう。
せめて顔だけでも・・・《天からの眼》!!やっぱり・・・
悠々と消えていく獣を見つつ、私は茅菜へ電話をした。あることを確認するために。
「ごめんなさい、今日のは私のミスです。」
「いいえ、この人数で全員を守ることはできないわ。」
「でも・・・」
「それよりこれではっきりしたわ。そう・・・そういうことだったのね。」
「えぇ・・・今からそちらへ処理班を向かわせます。場所をもう一度お願いします。」
「わかったわ・・・明日、ケリを付けましょう。」